企業サポーター様インタビュー①

MAGNOLIA MINING GROUP Ltd. 様(はらんべぇ・れお27号より)

弊社はケニアにて金鉱山事業を展開しています。 「金」と聞いて、皆様は何を思い浮かべるでしょうか。今回 はこの場をお借りして、ケニア・アフリカの金鉱山の実情と 弊社のビジョンについてお伝えさせていただきます。 世界の金需要は尽きず、常に「アフリカの金」という言葉 は人々を惹きつけ続けています。しかし、実際に日本だけ でなく世界中でアフリカの情報は少なく、金を求めてアフリ カに関わろうとする多くの方々が金銭的被害を受けること も少なくありません。我々も無知からの失敗がアフリカ事業 の始まりでした。しかし、失敗はより深くアフリカを知るきっか けとなり、今の私たちの事業に繋がります。 「アフリカの金」と、アフリカと一括りにされることが多いです が各国それぞれの発展を遂げているために各国の「金」と いう意味合いは変わっています。鉱業の発展したタンザニ ア、ジンバブエ、南アフリカなどの金というのは流通経路も 作られている商業ベースの金、コンゴ等の政情不安定な 場所から発掘されるものは非合法な金、と様々です。 アフリカの鉱業業界では様々な化学薬品が扱われます が、スモールスケールマイナーと呼ばれる大多数の方々は 主に水銀を扱います。現場の作業のほとんどは女性であり、 危険性を知っていますが、周りも皆使っているという理由で 安易に素手で扱っている現状があります。 更に、この水銀で処理した金の残土、植民地時代の金鉱山残土には抽出精度が低い手法のために目 に見えないレベルの金が残っています。鉱業の発展した国々ではこれをシアン化合物に残土を浸すことで取 り出す手法が行われています。シアン化合物とは青酸カリ等に含まれる「青酸」のことであり、生物にとって 猛毒です。各地で開放されたコンクリートプールに満たされた青酸を口にした家畜の死亡事故、湖や川に 雨とともに流出して水質汚染による被害のニュースが散見されます。 今、この瞬間にも過去に日本が水俣病として経験した事と同じこと、つまり水銀の蓄積から手足のしびれ、 奇形生物の発生、その生物を食用とすることによる悪循環が起こっています。その上に鉱業化の進化によ り大規模な規模でシアン化合物を使うことで、大量の水質汚染が始まっています。これが、私たちが本当 の金の所在を知るとともに見た「アフリカの金」の実態でした。 この様な状況のアフリカの中、農業国であるケニアではまだ近隣諸国レベルと比べて鉱業分野は遅れを 取っています。しかし、東アフリカ諸国の中で有数の経済規模をもつケニアが鉱業に関してこれから発展す る市場であるという事は、ビジネス的な意味でも環境保全的な意味でもお手本を作ることができるという事 です。ケニアで健全な鉱業の発展方法を広めることで周辺国、ひいてはアフリカ全土のスタンダードを変え、 水銀やシアン化合物を危険性に気づきながらも利用せざるを得ない人々を救い、ケニアの発展に寄与でき るのです。 紆余曲折を経て、ケニアで本当の金鉱山に出 会ったとき、ナイロビで聞こえる数百kgの金の売買な どないと気づきました。多くの人が危険な作業を含む 毎日の労働の末、数gを産出しては販売し、日々 の糧としているのを今も現場では見ることができます。 当然、キャッシュフローを考えると日々金を売って 生活をしているので数百グラムですら彼らは貯めるこ とはできません。そして当然ながら金はどこでも売るこ とができます。1kgでも算出できるレベルの企業であ れば当然ながら出口を作って運営しているので数百 キロも貯める必要はどこにもなく、ましてや安く売る必 要は全くないのです。 そして今、弊社は食品添加物にもなっている安全な化合物を用いた精錬事業を開始しました。まだ未 成熟な鉱業分野を発展させ、化学薬品の被害にあう人々をなくすために。そのためには教育が必要です。 「その薬品は危険だから使わないほうがいい」とおもう人が増えれば、我々はその代替案を提供できるので すから。 教育を大切に考える弊社だからこそ、ケニアの若者の未来を担うKESTESの活動に賛同し、この度サ ポーターとなりました。奨学生の将来に期待してます。